Thithi Factory, Thikagiki FCS(シティ ファクトリー/シカギキ農業協同組合)
シカギキ農業協同組合(Thikagiki Farmers’ Cooperative Society, FCS)は、1995年11月に設立され、現在では約2,600名の小規模農家メンバーが所属しています。メンバーの多くは約0.16〜0.4ヘクタールの土地でコーヒーを栽培しています。
この組合は、シティ・ファクトリーに加えて3つのウェットミル(精製所)を運営しており、それぞれにタイル張りの水路と金属製の乾燥台を備えています。
シカギキ組合は、ムランガ郡(Murang’a County)に住む小規模農家の大きなコミュニティを束ね、組合中央のウェットミルを通してコーヒーチェリーの集荷と精製を管理しています。また、運営コストを差し引いた後の販売収益をメンバーへ公平に分配する仕組みを整えています。
すべてのファクトリー間で品質の一貫性と知識共有を保つため、組合ではファクトリーマネージャーを毎シーズンごとにローテーションさせています。この協同組合の仕組みにより、市場アクセスの確保や厳格な品質管理だけでなく、メンバー農家の経済的安定も支えられています。
収穫と精製
コーヒーは標高の高い肥沃な赤い火山性土壌で栽培されています。この地域は年間平均降水量1,100mm、平均気温約20.5℃と安定した二峰性の降雨パターンに恵まれており、チェリーの成熟がゆっくりと進むことで高品質なコーヒーが生まれます。
メインクロップの開花は3月頃に起こり、収穫は10月から12月の間に行われます。
農家はSL28、SL34、Batian、Ruiru 11など、伝統的および改良型のケニア品種を栽培しています。
チェリーは完熟のタイミングで手摘みされ、シティ・ファクトリーへ運ばれた後、徹底的に選別されます。果肉除去後、12〜24時間の発酵を経て洗浄され、P1、P2、P3、Pライト、ポッドに分類されます。乾燥は8〜14日間かけてアフリカンベッド(高架乾燥台)で行われ、日中は攪拌や日差しの遮断、夜間はカバーを掛けるなどの丁寧な管理を行うことで、最終的に水分含有量10〜11%の均一な状態に仕上げられます。
インパクト
シティ コーヒーファクトリー(Thithi Coffee Factory)を通じて、シカギキ農業協同組合は、ムランガ高地のテロワールを反映した高品質なウォッシュドコーヒーを生み出しています。また、カップクオリティの向上だけでなく、組合は農家の所得改善、持続可能な農業の推進、地域社会のレジリエンス(強靭性)の強化にも取り組んでいます。
品質の追求と生産者支援の両立を重視することで、シカギキ農業協同組合は、ケニアの小規模農家によるコーヒー生産を支える協同組合モデルの価値を実証しています。


