2026年4月12日 (日) 23:06
Nordic Japanは2025年11月、Terasaki coffeeの寺崎さんとともに
コロンビアを訪れ、1週間にわたりFinca Tamanaに滞在しました。
今回はその滞在を通して見えた、Finca Tamanaの現場、家族の営み、そして品質を支える背景についてレポートします。
コロンビア Neiva空港から 車で1時間ほど離れた
Garzonという町で Finca Tamanaの農園主 Roa 家族と合流。
農園周辺には スーパーや商店が一切ないため、この町で1週間分の私たちの食料をはじめ、農園で働くピッカーやマネージャーたちの食料をまとめて買い込み。
そこから90分ほど 獣道を走らせ、Finca Tamanaへ向かいます。
道中には 小規模のコーヒー農園やプランテイン畑が点在し、 野犬の姿も多く見かけました。
エントランスに到着した時点で 標高すでに約1800m。
そこからさらに車で5分ほど斜面を降りていくと、Roa家族、ピッカー、ゲストルーム、カッピングルーム、キッチン、精製施設が集まる大きなVillaが現れます。



農園に着いてまず驚いたのは、生き物の多さでした。
野鳥、鶏、孔雀、牛、犬、猫。
Washing stationの上には孔雀がいたりして、この農園が単なる生産現場ではなく、一つの大きな生態系の中にあることを実感しました。


食事の主食はプランテインとお米。ベジタリアンという言葉が通用しないほど、肉料理が中心です。また 1日4回ほど Amarilloというアルコール度数24%のショットで景気付けすることも。

農園内には シェードツリーとしても、土の栄養素としても重要な
果樹が多く点在し、朝食には 農園で採れた果物を頂きました。
私たちが訪れたのは11月末。収穫のオフシーズンではあったものの、コモディティやミタカクロップ(2nd crop)の収穫のため、約20人ほどのピッカーが働いていました。
収穫の最盛期には50人以上のピッカーが滞在し、Eliasの妻BellanidとキッチンマネージャーのMartinaが、全員分の食事を用意します。

収穫作業は朝早く始まるため、キッチンでは早朝5時から準備が始まり、夜は21時頃まで片付けや翌日の準備が続きます。
農園はインターネットや電話回線も安定していない山奥にあり、Elias自身が電線を引いたものの、私たちの滞在中も通信はほぼ不安定でした。
夜は街灯がなく、満天の星空とVillaからの灯りだけで生活します。
シャワーは山の湧き水をそのまま引いた冷水で、滝のような勢いで流れてきます。
アフリカや ペルーなどは 小規模農家がWashing Stationにチェリーを持ち寄り、そこで精製されるケースが一般的です。
一方 Finca Tamanaのような規模の農園では 収穫から精製、乾燥、品質確認まで 全て農園内で完結します。

Roa家族の暮らしのすぐ隣に精製設備があり、生活と品質管理が地続きになっていることが、この農園の特徴の一つです。
Finca Tamanaは、一般的なコロンビアの農園と比較しても非常に大きく、
設備投資も積極的に行われています。
毎年農園を訪れるTim Wendelboeは
「来るたびに進化している」
と語ります。
その言葉通り、Eliasの品質に対する妥協のない姿勢が、農園の随所から感じられました。
湿度の高いコロンビアでは メカニカルドライヤーで パーチメントを乾燥させるのが一般的ですが、
Eliasは機械乾燥による風味への影響を考え、自然乾燥へと切り替えました。
現在、Huila地域の気候に適したアフリカンベットを設計し、
農園内には既存の乾燥施設に加え、 新たに2つの建設が進められています。


今後の計画として、 パルピングマシーン施設の増設も予定されています。
収穫量の多い日でも、その日のうちにパルピングから発酵まで進められる体制を整えるためです。

農園には専属の施工チームが常駐し、常に改善が続けられています。

私がオスロのNordic Approachで働いていた頃、同じ建物にTimの焙煎所がありました。階段の踊り場には「Take Free」と書かれたコーヒーが置かれており、それがFinca Tamanaのコーヒーでした。
焙煎日を見ると なんと “2年前” !
しかし味わってみると、まるで焙煎したてのような複雑で上質なフレーバーがあり、大きな衝撃を受けました。
その話をEliasにすると、
「その答えを今日知ることになるだろう」
と、精製工程のすべてを見せてくれました。
そこで感じたのは:
私たちの訪問は11月末のオフシーズンでしたが、それでも設備投資が進められ、 20人以上のピッカーが働いていました。
また、Tim Wendelboeが進めるRegenerative Farming Projectのため、私たちを最高にホストしてくれた Yuranyは早朝5時から土壌の検査を行っていました。
こうした現場を見て感じたのは、Finca Tamanaの品質は、特別なロットだけで作られているのではなく、農園全体の構造、家族の営み、働く人たちの体制、そのすべてによって支えられているということでした。
そして今、この農園ではさらに大きなテーマとして、再生型農業への取り組みが進んでいます。次回は、そのRegenerative Farming Projectについてご紹介します。

2026年4月6日 (月) 23:10
Name: Yurany Roa, Brayan Roa
Family: Elias Roa(Finca Tamana) の娘
Region: La Plata, Huila, Colombia
Altitude: 1900m
Varieties: Colombia, Pink Bourbon, Java
Processing station : Finca Tamana
Finca El Refugioは、Finca Tamanaを運営するElias Roaの娘、Yurany Roa Sanchez が運営する農園です。父であるEliasと、長年のパートナーであるTim Wendelboeからアドバイスを受けながら、独自の品質向上への取り組みを進めています。2025年に初めての収穫を迎えた、新しい農園です。
この農園は、コロンビア・ウイラ県のLa Plata地域に位置し、標高約1,900mの高地にあります。Finca Tamanaよりも標高が高く、傾斜のある地形が特徴で、クリーンで複雑なフレーバーに適した環境です。
収穫されたチェリーは、Finca Tamanaの精製設備で精製され、品質管理のもとでロット分離されています。

Yuranyは、Finca Tamanaを運営するElias RoaとBellanidの娘として、幼い頃からコーヒー農園で育ちました。最初はAcevedoにある家族の農園でコーヒーに触れ、その後Finca Tamanaで経験を積んできました。
当初はコーヒー業界で働く予定はなく、地元のコーヒー輸出業者で数年間勤務した後、イギリスで国際ビジネスを学びました。帰国後、家族の農園に関わるようになり、現在は自身の農園運営に加え、Finca Tamanaのセールス・マーケティングも担当しています。
また、リジェネラティブ農法の研究や、ピッカーのケアから顧客対応、そしてTim Wendelboeの農園の品質管理マネージャーまで幅広い役割を担う、次世代の生産者です。
現在、Tim Wendelboeを中心に、
と共に、新しい栽培方法や持続可能な農業への取り組みにも積極的に関わっています。

父であるEliasから、Yuranyと姉、弟はそれぞれ農園となる土地を譲り受けました。現在は弟のBrayanが留学中のため、Yuranyが2人分の農園管理のすべてを担っています。
彼女は単に家族の農園を引き継ぐのではなく、自らの農園で品質向上に取り組んでいます。
主な取り組み:

Nordic Japanとして、彼女の収穫初年度のコーヒーを買い付けできたことは非常に大きな一歩であり、日本に紹介できることを非常に光栄に思っています。
初年度のロットを、20年以上の経験を持つFinca Tamanaのコーヒーとブラインドでカッピングしましたが、全く引けを取らない、非常に高い品質でした。
実際に農園を訪れ、栽培環境や精製方法を確認すると、この品質にも納得できます。また、Finca Tamanaとは異なる個性を持ったフレーバープロファイルも非常に魅力的です。
今後も毎年可能な限り買い付けを行い、長期的に関係性を構築していきたい大切なパートナーです。
2026年4月6日 (月) 23:10
Producer: Elias Roa
Region: El Pital, Huila, Colombia
Altitude: 約1,650–1,700 masl
Farm Size: 約57ヘクタール

Finca Tamanaは、コロンビア・ウイラ県のEl PitalとLa Plataの間に位置する山岳地帯にある農園で、Elias Roa氏とその家族によって運営されています。農園面積は約57ヘクタールと、平均2ヘクタールといわれるコロンビアの農園規模と比べても比較的大規模な農園です。
この地域は豊かな生物多様性に恵まれ、多様な野生動物や熱帯の鳥類が生息する自然環境にあります。このような環境は、コーヒー栽培にも良い影響を与えています。
Eliasは、この地域でまだ高品質なスペシャルティコーヒーの生産が一般的ではなかった時代から品質向上に取り組んできました。品質を高めることが長期的に持続可能な生産につながると信じ、栽培や精製の改善に継続的に投資し、地域におけるスペシャルティコーヒー生産の先駆者の一人となりました。
2007年にはノルウェーの焙煎士Tim Wendelboeが農園を訪れ、長期的な品質向上に向けた取り組みがスタートしました。以来、栽培方法の改善や品質管理の強化など、継続的な取り組みが行われています。
現在もEliasは、環境への負荷を減らしながら、コロンビアでも最高レベルのコーヒーを安定して生産できる農園を目指し、持続可能な農業への取り組みを続けています。土壌改善やシェードツリーの導入など、長期的な品質向上と環境への配慮を両立する取り組みが進められています。
「農園を訪れるたびに改善や新しい設備が導入されている」と毎年訪れるTim Wendelboeが語るように、Eliasの情熱と農園への愛情はとどまることなく、現在も進化を続けています。Finca Tamanaは、長期的な視点で品質向上に取り組み続ける、非常に信頼性の高い生産者の一つです。

Timは2007年にエリアスと出会い、その後2011年頃から本格的な協働がスタートしました。品質向上のための取り組みは長年にわたって続いています。
このパートナーシップにより:
などが進められ、農園の品質は大きく向上しました。
また、TimはFinca Tamanaの農園内に自身の農園を取得し、栽培や品質向上の研究を行っています。その知見はFinca Tamanaにもフィードバックされ、継続的な品質向上につながっています。
湿度の高いコロンビアでは、乾燥工程にメカニカルドライヤーを使用することが一般的です。しかし、Finca Tamanaでは高品質なコーヒーを生産するために天日乾燥を重視しています。
現在、農園内には約3箇所のドライイングベッド(乾燥施設)が設置されており、さらに2箇所の新設(写真参照)も進められています。こうした設備投資は、品質向上に対する長期的な取り組みの一環です。

Finca Tamanaでは、長期的な品質向上のために以下のような取り組みが行われています:
また、農園では従業員の生活環境改善にも重点を置き、労働環境や住環境の整備なども進められています。さらに 近隣農家のみでなく、先住民族コミュニティーに対して コーヒー栽培の知識を共有し、持続可能な収入源の確立を支援する取り組みも行われています。
これらの活動は、単なる品質向上にとどまらず、地域全体の持続可能なコーヒー生産の発展にもつながっています。
近年、温暖化や異常気象により、コーヒー栽培がいずれ不可能になると囁かれています。
そこで 未来への挑戦を率先しているプロジェクトが立ち上げました。
Finca Tamanaでは、長期的な品質向上と持続可能な農業を目的として、Tim Wendelboeと共同で土壌改善プロジェクトに取り組んでいます。
このプロジェクトはFinca Tamana単体ではなく、以下の農園と共に進められています:
この取り組みでは、専門家と協力しながら土壌分析を実施し、各農園の土壌状況に合わせた改善プランを策定しています。
主な取り組み:
このプロジェクトの目的は、
土壌の健康を改善し、長期的に品質の高いコーヒーを生産することです。
また、この取り組みは農園の持続可能性の向上だけでなく、
にもつながると期待されています。
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